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CAAT(内部監査・不正検査の有効な手段)~ベンフォードの法則を例に~

不正検査や内部監査の手法として注目を集めているCAAT(Computer Assisted Audit Techniques)という手法がありますが、これは、知れば知るほど、効率的かつ優れた方法だと実感します。

CAATとは、コンピュータ利用監査技法と和訳されている監査手続きの手法の一つです。近時の企業では、膨大な取引の処理について効率化を図るべく、 IT で管理することが非常に多くなっています。そのため、企業内に存在する様々な各種データに対し、直接的に監査を行う必要性が高くなってきており、コンピューターシステムのデータそのものを利用して行う技法を総称してCAATと呼んでいます。

専用のシステムも販売されていますが、簡単な分析であればエクセルでもできます。

この分析手法を具体的に説明すると長くなってしまいますので、今回はその中で私が非常に興味深いと思った技法を以下ご紹介したいと思います。

「ベンフォードの法則」というのがあります。これは、「自然界に存在する数値の最初の桁の分布は一様ではなく、一定の確率(最初の数値が1となる確率:30.1%、以下2:17.6%、3:12.5%、4:9.7%、5:7.9%、6:6.7%、7:5.8%、8:5.1%、9:4.6%)での分布になるという法則です(例えば、35,000円の消耗品を購入した場合の最初の桁の数値は「3」ということになります)。

この法則を企業の全仕訳について分布してみると、異常値が出なければ、正常な分布となっていると判断でき、一方でどこかの数値が異常値を示せば、その数値の中に不正や誤謬の仕訳が入っている可能性がある、ということになります。

これは、試してみる価値ありそうですね。監査人のみならず、企業の経理担当者や内部監査担当者にもオススメの分析手法だと思います。

 

 


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