でんた丸ブログ

君たちはどう生きるか (4)

本の第5章は、第4章から一転して裕福な家庭環境にいる同級生(水谷君)の大きな自宅が舞台です。

この第5章の叔父さんのノートの題名は、「偉大な人間とはどんな人か―ナポレオンの一生について―」です。ここでは、ナポレオンの一生を人類の大きな歴史の流れの中に位置づけた上で、人類の進歩に役立った事業だけが値打ちがあり、そういう事業をナポレオンは勇気・決断力・強い意志をもって成し遂げたとされています。また、人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多い。そして単に空しいだけでなく、世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない、とも書かれています。

人類の大きな歴史の流れの中で,人類の進歩に役立っているか否かを考えるという話は、歴史をなぜ学ぶ必要があるのかという質問に対する一つの解答のように感じました。


このページのトップへ