でんた丸ブログ
ノーベル経済学賞に係る賞金の所得分類
非課税所得の規定である所得税法9条1項13号ホには、「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」と書かれており、ノーベル基金が授与する物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞に係る賞金は、同条文により非課税とされます。一方、ノーベル経済学賞はノーベル基金が授与する賞ではなく、スウェーデン国立銀行が賞金を拠出する「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」であるため、同条文は適用されず、一時所得(所得税法34条)に区分され非課税とはなりません。所得税法9条1項13号イないしへに列挙されたものが非課税となる根拠は、文化の向上、学術の奨励政策にある点に鑑みると、日本において経済学は文化の向上に直結しない又は学術として認められていないとも考えられます。イギリスの女性の経済学者であるジョーン・ロビンソン(1903~1983)が1955年に、経済学を学ぶ目的は「いかにして経済学者に騙されるのを回避するかを知る」点にあるという発言をしたことが思い出されます。
もっとも、日本では未だノーベル経済学賞の受賞者はおらず、初の受賞者が誕生した際には、1949年に湯川秀樹氏が初のノーベル物理学賞を受賞してから賞金を非課税とする旨の立法が急いでなされたのと同様の立法化作業が開始するのかもしれません。










