でんた丸ブログ
フリンジ・ベネフィット通達(その1)
フリンジ・ベネフィットとは、通常の給与とは別に使用者から従業員に追加的になされる給付のことをいいます。以下がその例になります。
・会社設立 ● 周年記念、勤続 ■ 年報奨時の記念品
・社員食堂での格安の食の提供
租税法律主義(憲法84条)から導かれる合法性の原則、すなわち課税庁は法律の定めのとおりに執行しなければならず、法律の定めより多くは勿論、少なく課税・徴収することも許されないという考え方からすれば、フリンジ・ベネフィットも給与所得(所得税法28条1項)として課税されそうです。しかしながら、実際の執行においては、フリンジ・ベネフィットは広い範囲で非課税とされており、それを裏付ける所得税基本通達が多くあります(同通達36-21ないし33、36-38の2等)。立法ではなく、通達レベルで非課税の領域を作出している理由として、以下の点が挙げられます。
・少額不追及の考え方からくる課税現場での執行の不足。
・国民感情に配慮した課税現場での執行の不足。
・フリンジ・ベネフィットの時価評価にかかるコストが大きいことが多い。
このように当該領域の執行の場面では、法律は建前にすぎなくなっています。
(注)フリンジ・ベネフィットを非課税とする法律上の根拠として、例えば所得税法9条1項5号・同法施行令20条の2(通常の通勤手当)等もあります。










