でんた丸ブログ

円安に伴う為替差損の税務上の取扱い

現在、円安が進行中です。円と米ドルとの間の為替相場におけるTTMでは、

2021年3月末 1ドル110.71円 → 2022年3月末 1ドル122.39円 → 2023年3月末 1ドル133.53円

→ 2024年3月末 1ドル151.41円

となっています。

このように外国為替相場が著しく変動した場合には、法人税法61条の9第4項・法人税法施行令122条の3第1項に次のような内容の規定があります。すなわち、事業年度終了の時に有する外貨建資産等(外貨建株式等を除く。)に係る外国為替の売買相場が著しく変動した場合には、(長期外貨建金銭債権債務であっても、)その外貨建資産等と通貨の種類を同じくする外貨建資産等のうち、外国為替の売買相場が著しく変動したもののすべてにつき、その事業年度終了の時にその取得又は発生の基因となった外貨建取引を行ったものとみなして、期末の外国為替相場による換算のし直しを認めています。従って、この規定を適用して期末の換算替えを行い、為替差損を計上した場合には、別表4の税務調整は不要となります。

(注1)

上記の著しい為替相場の変動とは、以下の計算式で計算をして、おおむね15%(下限割合は、13.5%とされています。)に相当する割合以上となる場合とされています(法人税法基本通達13の2-2-10)。

((A)-期末における外貨建資産等の帳簿価額(本規定適用前))÷期末の外国為替相場により換算した外貨建資産等(A)

(注2)

外国通貨の種類を同じくする外貨建資産等のうちに、上記の算式により計算した割合がおおむね15%に相当する割合以上となるものが2以上ある場合には、その一部についてのみ同項の規定による円換算を行うということはできません。従って、例えば、外貨建債権は換算のし直しを行わずに、外貨建債務のみ換算のし直しを行うということは認められません。


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