でんた丸ブログ
総則6項の適用
昨年10月に、「財産評価基本通達6項の適用を巡る判決」と題するブログを書きました。この総則6項が適用された事案は、総則6項の適用に係る判断枠組みを示した最高裁令和4年4月19日判決以降、増加しています。総則6項の適用に当たっては、国税庁長官の指示に基づいて国税局の資料調査課が調査を担当します。そこで、今回は国税局の資料調査課についてご紹介いたします。
資料調査課は課税部に属するところ、刑事事件を扱う査察部のような強制調査はできず、任意調査を行います。ただし、裁判を前提に証拠固めをする点では、共通しており、反面調査に入り、取引先や銀行から資料を収集し、「任意調査のエキスパート集団」と呼ばれています。税務署による税務調査に比し、資料を収集できるまで、より頑張るため、税務署よりも資料調査課の方が「悪徳者にとっては畏怖の的」になっているようです。
東京国税局を例にとると、税務署だけでは十分な調査ができない「調査困難事案」や租税回避事案等の「課税困難事案」を積極的に調査する組織は次のようになっています。
<個人を基幹として調査を実施する部署>
課税第一部
資料調査第一課:調査非協力及び不正常習者や事業等の規模が大きい個人事業者等を対象に、国税局の職員のみ又は税務署の職員と合同で調査を実施
資料調査第二課:相続税調査の専門家集団
資料調査第三課:国際事案専門の、個人課税系統・法人課税系統・資産課税系統の職員が配属された混成の部署
<法人を基幹として調査を実施する部署>
課税第二部
資料調査第一課:事業規模が大きく、全国的に広域に展開する法人を対象に、原則として国税局の職員のみで調査を実施
資料調査第二課:税務署だけでは十分な調査を実施することが困難と認められる法人に対して、国税局の職員が主導して税務署の職員と合同で調査を実施
資料調査第三課:海外取引法人や公益法人等に対して、第一課と同様に原則として国税局の職員のみで調査を実施